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百万 ひゃくまん
~ Hyakuman ~
あらすじ
吉野の男が奈良西大寺近くで拾った子を連れ、京都清凉寺釈迦堂の大念仏にやって来る。
門前の男に教えられ、わざと下手な音頭をとって、舞の名手である狂女・百万を呼び出す。百万は夫に先立たれ、我が子を西大寺で失い、悲しみのあまり故郷を出奔した道行きと悲しみの胸中を語り舞い、子との再会を仏に祈る。
清涼寺の釈迦如来像は、実在の釈迦が生母・摩耶夫人に逢う為、留守となったとき刻された。西大寺の如来像はまた、清凉寺の摸刻であり母子再会の利益があったのだ。
実はこれこそ別れた我が母と気づいた子は男に告げ、やがて再会を喜びあいともに故郷へ帰って行く。
実在した曲舞の名手・百万がモデルと伝えられる。
観世流能楽師 山下あさの 2016年公演「百万」
西大寺で拾った幼子はとても聡明で可愛かった。 吉野の男はある春の日、嵯峨の大念仏に少年を伴う。
観世流能楽師 山下あさの 2016年公演「百万」
門前の男が、すっかり清涼寺の名物となった「百万」を呼び出す。 わざと下手なリズムで謡うと現れる百万。
観世流能楽師 山下あさの 2016年公演「百万」
いつの世も、親子の絆は苦しみの種。殊に母にとっては首枷のようで… 百万は子を想う苦しみを舞う。
観世流能楽師 山下あさの 2016年公演「百万」
乱れ心ながら南無阿弥陀仏と、信心をいたすも我が子に逢はんためなり…一心に釈迦如来像に再会を祈る。
観世流能楽師 山下あさの 2016年公演「百万」
青によし、奈良の都を立ち出でて、かへり三笠山、佐保の川をうち渡りて…哀しみの旅路を語り舞う百万。
観世流能楽師 山下あさの 2016年公演「百万」
これほど多き人の中に、などや我が子の無きやらん… 群衆の中に我が子を探すひたむきな母の姿。
観世流能楽師 山下あさの 2016年公演「百万」
ついに我が子と再会を果たす百万。 己の乱れ舞う姿を見せたことを恥じ入るが、歓喜の涙は溢れ出す。
観世流能楽師 山下あさの 2016年公演「百万」
かのご本尊、生身の釈迦如来のご利益で我らは廻り逢うことができた。 喜びの花が大きく開くのだった。
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