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羽衣 はごろも
~ Hagoromo ~
あらすじ
三保の松原の春。早朝沖へ漕ぎ出した漁師白龍もその美景を愛でつつ浜へ戻ると、えも言われぬ芳香。
美しい羽衣を見つけるが、それは月から降り立った天人のものだった。羽衣がなくては空を舞うことはできない。哀しみ弱りゆく天人に羽衣を返す代わりにと白龍は月宮の舞を請う。後に「東遊(あずまあそび)」と呼ばれる厳かな舞を初めて下界に伝えたのだ。
三保の松原の美しさは天上の美しさにも劣らない。人の心と天人の心が通い合うひとときは、至上の和合の瞬間であろう。月の恵みを地上にもたらす誓約とともに、夕陽に紅く輝く蘇命路(染め色)の富士山の彼方へと、天人は昇って行くのだった。
観世流能楽師 山下あさの 2014年公演「羽衣」
春はあけぼの。 漁師白龍は、三保の松原で世にも美しい衣を見つけた。 家宝にしようと取り上げる。
観世流能楽師 山下あさの 2014年公演「羽衣」
美しきひとが呼び止める。 それは私、天人の羽衣です。 そうと聞いた白龍は国の宝としようと考える。
観世流能楽師 山下あさの 2014年公演「羽衣」
羽衣がなくては月へ還ることはできない。 空行く鳥や風まで羨む天人は、哀しみ弱り果ててゆく。
観世流能楽師 山下あさの 2014年公演「羽衣」
さすが見るに忍びず白龍は衣を返すという。 交換条件は月を廻らす天の舞。
観世流能楽師 山下あさの 2014年公演「羽衣」
疑いは人間にあり、天に偽りなきものを‥契約通りに舞い始める天人。
観世流能楽師 山下あさの 2014年公演「羽衣」
南無帰命月天子、本地大勢至。 月の天子に礼拝し、謹んで天上の舞を下界に伝える。
観世流能楽師 山下あさの 2014年公演「羽衣」
月には十五の天人が、白衣と黒衣を纏い分けて、月の満ち欠けを司る。
観世流能楽師 山下あさの 2014年公演「羽衣」
その衣は春霞の如く空にたなびき、天人は富士山の彼方、月へと還っていく。
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