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玄象の琵琶

朝から能楽堂で師匠のお稽古の手伝い。

晩は9月24日湊川神社梅若能の「玄象」の稽古で梅若六郎師が来られました。

「玄象」は素敵なお能です。

琵琶の奥義を極めるために須磨から唐へ渡ろうとする藤原師長は、ところの老夫婦に一夜の宿を借りました。

師長に琵琶の演奏を所望する老爺。 妙なる音色に聴き入る折節、村雨が降って演奏をとどめます。

老夫婦は貧しい小屋の屋根板に、「とま」を敷きひろげます。

師長さまの演奏される琵琶の調子はオウシキ。(オウシキ:雅楽の調子で低めの音色) 板屋根を叩く村雨の音はバンシキ。(バンシキ:雅楽の調子で高い音色) とまを敷いて、雨音もオウシキとなり、琵琶の音色とひとつになりました。 さあさあ、演奏をお続けください。

なんと風雅な侘人でありましょう。 こんな田舎の老人でさえこのような風雅な心を持つこの国を、離れる必要がないではないか。

なんだか鼻、たかだか~となりますネ。

ただしこのおふたりは、村上天皇と梨壺女御、いにしへ世に名高い芸術の守護神のような貴人の化身だったのですが‥

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